家が中流家庭だったので、高卒で就職した。
僕は工業高校の電気科だったのに、化学分析をする仕事に就いた。何故か?幼い頃から、進学先を職業校に親に限定されていた。
中学生の頃、パソコンやアマチュア無線に興味を持っていたので、漠然と電気科か情報系の科に進学しようと思っていた。
調べていくうちに、電気科は電気工事士が卒業後学科試験免除になる事、電気主任技術者試験が認定で貰える事を知り、打算で電気科を志願し楽勝で推薦合格した。
合格し、勉強を進めていくうちに自分のクラス内での序列が分かる。
僕は40人中3番手位。トップグループだった。当然だ。小規模校とはいえEランクだったんだから。(北海道の内申ランクについてはググって下さい)
しかし。電気など、最初から興味はそれ程無かったのだ。在学中に第2種電気工事士を取れなかったくらいセンスがない。(今は持ってる)
その代わり、化学が好きだった。危険物取扱者試験を、乙4類→2,5類→1,3,6類と一度も落ちる事なく合格したくらいだ。
就職したのは、某資源系大企業の子会社。外見はショボいが、福利厚生はしっかりしてる。そこで夢だった化学分析の仕事を始めた。
最初に教わったのは、硫酸の濃度測定。硫酸を小さいガラス容器に入れて、中和滴定するのだ。
新人だし、化学科卒でも無いので何度やっても正しい濃度にならない。僕は焦った、何故なのかを先輩社員に訊けない雰囲気なのだったから。
3ヶ月が過ぎ、もうすぐ試用期間が終わるかといったところで突然、会社に行きたくなくなった。
…続く