かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

路地裏の恋

すーっと、カーテンをくぐると。
そこに待っている、女の子は。
不思議な空間だね。
真っ直ぐ、前を見据えて。
多少の憂いを感じながら。

女の子は、云う。
「中途半端な気持ちじゃ、ここで働けないから」
そうかもな、と思う。
ここで出遭う女の子は、一様に落ち着いた感じの、芯のしっかりした娘ばかりだ。

「こんな仕事だけど・・・私、この仕事好きだから」
失われたものが、失われた感覚を得ようとする、かりそめの空間。
ボクは、天井を見つめる。ユーロビートが、哀愁を帯びて聞こえる。

「また、来てね」
ボクは、無言で頷いた。

(と)