かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

終わりは始まり。

今日で、半年弱にも及んだ、ボクの迷える旅は終わりです
…といっても、午前中は転職先の健康診断をしたり(検診センターの受付嬢が、超ボク好みで萌え萌え)
髪を切りに行ってみたり、入社関係書類の段取りやら、先方のお偉い方との顔合わせやら・・・と、
バタバタとしているうちに、午後3時。

薄汚れた場末のこの工場も、今日だけは少し、眩しく見えます
久々に掛けた色の入ってない眼鏡のせいかもしれませんが
スーツから慌てて着替えた作業着姿で、颯爽と倉庫内に参上。
カリスマ、「おお、救世主がやっと登場だ」
ワカゾー君、「待ってましたよ、リリーフエース」
BGMは、ピンクレディーの「サウスポー」でしょうか。苦境に立つ現場を救うメシアのような

…ようは、使えない新人君(なかやまきんに君にクソリツ)にうんざりしているだけなんですが
つい先日まで、全くといっていいほど会話のなかったワカゾー君は、愚痴のこぼし場所がよほどないとみえ
「もう、聞いて下さいよ。ホンット、ひどいんですから」
延々、如何に、きんに君が使い物にならないかを語ってくれました
まぁ、語るまでもなく、彼のダメさ加減は察するに余りありますが

ボクは、そんな彼の仕事振りを観察することにしました
ひ、ヒドイ。Fロットのバンド縛りに1時間半だよ、そこの幕僚長(イミフメイ)

まぁ、要するに、想像を絶する仕事のトロさ、なのですよ。
普通のヒトの作業スピードの、およそ10分の1程度
スブの素人だと割り引いても、半分にも満たない惨憺たる状況

「ありゃ、場数を踏めばどうにかなるっていうレベルじゃないわな」
「マジで、来週からどうなるのか今から気が重いですよ」
そしてボクは、きんに君に問いました。
「…あのさ、随分と一つ一つ、慎重にやってるみたいだけどさ
何が問題なの? やり方がわからなくて悩んでるの?」
「いや・・・そういう訳ではないんですが。ボク、不器用なんですよね」

キター。不器用ですから、なんて云って免責されるのは健さんだけだから。

「不器用も何もさ、そんなに技術を要するような作業じゃないよ。
場数を踏めば、早くなるからさ。基本に忠実に、手順をしっかり確認して・・・」
去りゆくヒトは、こんな無責任なコトを平気で口にしても、その言質を問われることがないし
後は野となれ、侭となれ。

帰り際、カリスマの餞の言葉は、
「厭になったら、いつでも戻ってこいよ」

(と)