かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

ラストコーヒー

「許して欲しい・・・」
「ねぇ、どういうコト? あたしの、どこがいけなかったの?」
「キミは・・・僕にはもったいないヒトだから」
「ずるい・・・ずるいよ、そうやって奇麗事にしようとして」

飲み残しのコーヒーを、くるくるかき回しながら
「じゃあ…言うけどね  僕はキミを養っていけるほどの収入を与えられない。
僕と付け合えば付け合うほどに、そんな現実が重くのしかかるんだ。
今は、ただ好きなだけでもやっていけるかもしれない。
でも・・・10年経って僕に嫌気がさしたとき、君は36歳になっている
それから、新たな幸せを見つける自信・・・ある?」
「あなただって、10年もすれば収入が上がるでしょう? どうしてそういう風に決め付ける訳?」

窓の外を見つめながら
「僕は・・・君を今後ずっと妻にするつもりは、最初からない。
ぶっちゃけ、代わりなんか幾らでもいるし、今までも、一時的な充足のための存在に頼ったコトだって、ある
僕にとって、結婚が幸せだとは考えられないんだ。
出きるだけ懐が痛まずに、一人の女と、長く付き合いたい・・・手前勝手な理屈だろうけどさ」

泣き崩れる女を放って
「ゴメン・・・僕は行くよ。他の女とも約束があるし。
君はまだ若いんだから、きっと、もっといいヒトと出会うから。
…それと、悪いけど、コーヒー代、払っといて。持ち合わせないから」

ルルルルルルル ルルルルル ルルリラ〜

(と)