かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

10年前

夏、ボクは最高の舞台の上にいた。
一瞬だけ、何かを摑めたような気分になれた
しかし、それが稀にみる幸運の重なりの上にあって
夢から醒めたときに、それがバブルだったことに気付く
今年の作品の準備をしている時、ふいにその事実に気付かされて
遣り切れなくなった・・・何やってるんだろう。死んじゃおうか・・・

そう、「あの時」から、生きるに値する何か、を問うていたんだ。
冷笑より未熟な、死への憧憬
死ぬことにこそ、死ぬことによって答えが導かれると確信していた
しかし。ボクは既に死んでいた。
そこに答えなどなかったのに、死は思考の死であるのに、死せずして思考は死んだ。

夏の終わり、機械音によって覚醒されたボクの手足の自由は奪われ、
時々上下する波と、滴る涙を、虚ろな目で見つめていた
「こんなところで、死んじゃダメだよ」

いつもいつも、思えば思う程、探せば探すほどに・・・・

(と)