かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

はあはあ云いながら、すべすべの割れ目をなぞる月末

朝、会話も少なく。
お互い、腰痛のしんどさを牽制するように、顔を顰める。
「明日から、11月かあ」
「来月も、忙しくなりそうですね」
「おう。年末暇よりいいべや。正月迎えられないぞ」

この業界、この時期になると
「正月を迎えられるか」が、合言葉。
正月は長いですから。3ヶ月くらいあるし(笑)
冬眠前のリスのように、軋む腰に釘袋ぶら下げて仕事するのです。
表情を強張らせて。

朝、組み立て物置キットをホームセンターに納入して、予定は電話一本で頻繁に変わりつつ、
午後からは軒天張り替えに落ち着く。
終わりませんが。マトモにやっても、やらなくても、終わりません。
4時を過ぎた辺りで、諦めムード。日没が近いので、「一山」は片付けないと。
無情にも、落日はその色を失い。灰色の時間に、軒天は終わりましたが。

もう、息切れ切れですよ。足場の昇り降りを繰り返すと、腰のHPは緑ゲージから赤(しに)に。
ザオリクベホマも効かないので、せめてラナルータでも・・・
あそび人には遣えないみたいです。転職しないと。
今ボクに出来る事は、すべすべの割れ目に、白い粘り気のある、防水処理剤を中指でなぞるだけです。
はあはあ云いながら。雪虫もピタリと飛ばなくなった、言葉のない空間に。

(と)