かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

中央線エレジー

それは、どこかで封印しなければならないものかもしれない。
通過点でなければならないものなのかもしれない。
不思議と、24の春を過ぎてから、彼女の歌を聞かなくなった。
今のボクに、生きる術はやはりないけども。
決して、エポケーしたわけでもないのだけども。
鈍くなったのだろう。器用になったわけではないけど。

ただ、歌の光景を自分に置き換えてニヒリスティックな感傷に浸ることに飽きただけかもしれない。
状況は全く変わっていない。
時々、過去の愚劣な行為が思い出され、強烈にかぶりを振りたくなることもある。
過去は否定できない。しかし、浸ることも許されない。
語ることにも飽きてしまった。

あの時流した涙に、ボクはまだ答を出せていない。
心地良さよりも、罪悪感が先行する。我慢強さが災いして、今は涙も出やしない。
鈍い痛み。放っておくと全身を蝕んでいく。
ルビコン川のほとりで、ためらい続ける。
鉛色の空に、濡れたアスファルト。引き寄せられるように、海へと向う。

海が死んでもいいヨって鳴いています
すさんでゆくぼくの  ほほが冷たい
誰かぼくに話しかけてください

(と)