かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

妄想シリーズ「29歳の雨」

今日も雨…
一人で生きていくと決めたはずなのに。なんか、疲れちゃった。
人生って、思うに任せない。なんだか、最近つくづくそう思う。

あれは、大学4年のとき。
黒いタートルネックに黒いコート、ジーパン姿という最高に冴えないいでたちだったはずなのに。
ホスト風の男に声を掛けられた。「割のいいバイトがあるよ」と。
なんか良く判らないままに、私はお店に行った。
狭い個室。薄暗い照明の中で。
来る日も来る日も、私は泡沫の恋に身を窶す男の相手をし続けた。

「愛してるよ」
私目当てにやってくるお客さんの手垢にまみれた囁きの中に、生きてる実感を、レーゾンデートルを求めていた24歳の頃。
「30までには、結婚するんだ。今の私は、かりそめの姿だから」
自分自身にそう言い聞かせてきたはずなのに。気がついたら、こんな仕事を6年もやってる。
私が欲しいのは、(札幌の)大倉山の(麓にある)高級マンションなんかじゃないの。
でも・・・「本当の愛」なんて、欺瞞に満ちている気がするし。
私は、どこへ行きたいんだろう?
もう、こんな仕事なんて続けたくない。だけど・・・

<b>諸般の事情により、未完のまま終了。
尚、云うまでもなくこのお話はフィクションであり、実在の人物、事件、団体とは一切関係ありません。</b>

(と)