かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

妄想日記

どうも最近萎え気味で、自宅に閉じこもっていると気がオカシクなりそうなので、
今日も実家に向かうことにする。
台風が近づいてるせいだろうか、やけに蒸し暑い。
とはいえ、一両日中に上陸するとは思えないような、清々しい空である。

キオスクで競馬新聞を購入、日傘代わりにしながらウインズへと向かう。
ちょうど、新馬戦のパドックが始まったところだ、萌え馬の応援馬券を100円だけ買う。
5頭立てだったから、難なく的中させ、小銭が増える。
ジュンク堂で新書を1冊購入して、食堂で脂っこい物を喰い、市バスに乗り込んでボンヤリと外を眺める。

どうせ実家に行ったところですることもないし、すこし手前のバス停で降りることにする。
この街は少子高齢化が先鋭的に進んでるからであろうか、幼稚園が廃園になっていた。
俺自身は小学生の時にココに越してきたから、なんの思い出もないのだが、
夏の暑い日に、少女たちがプールで涼を取る光景だけが、網膜の奥の当たりに
まだ焼きついている。

幼稚園の低い柵に肘をつき、しばらく目を閉じる。
「お兄ちゃん」
暑さのせいで頭がやられたか、周囲を見渡すが生え放題の雑草が目に入るだけだ
(早く実家に入って、涼を取ろう)
小走りに坂を上がっていくと、また聞こえる。
「お兄ちゃん、いかないで」
俺は左右に頸を振りながら、幻惑に惑わされないように幼稚園を後にする。

麦茶を飲みながら、新聞を読んでいると、
冷たい汗が、脇の辺りを伝った。

(と)