かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

ねえ東京から 戻っておいでよ

土曜日。
その日、冴えない3人は、暖中(註:全国21都道府県くらいにチェーン展開している中華料理屋)で、
ボクだけ酒を飲みながら数ヶ月ぶりの再会を祝してメシを喰っていました

・自動車残酷工場で働く期間工
・電器屋のバイトも干されたクリエータ
・日雇い人夫

・いつもアメリカに行くことを夢見ている男
・ヘタクソな自称詩人
・売れない役者
・映画青年

競馬新聞ばかり見ている退屈な男たち
それは 遊園地のメリーゴーラウンドのようで騒々しかった
そしてまた 淋しいものだった

「ボクは思うわけですよ、
(きっとアイツらは『勤勉になるためのクスリ』をどこかで配っていて、
それを飲んで仕事しているに違いない、じゃなかったら、なんであんなに
厭で仕方のない労働を、毎日規則正しく行うことが出来るのか)
と」
「だってさ、パチンコで1日に稼ぐ金額を時給に直せば、
今の仕事の時給より200円はいいわけで、だったらなんでこんな思いをしてまで労働しなければならないのかと」
「一緒に暮らそうよ、市内でさ、一戸建てでも借りてさ
東京で今9万でしょ、そんだけあれば、ココでどれだけの広さの家を借りれることか」

「ねぇ、戻ってきなよ、
どうせ東京でなんか、夢なんて実現出来っこないんだから
俺らの人生なんて、たかが知れてるって、ね、もう疲れたしょ、東京なんて」
彼は無言で頭を降りながら、
(30までは・・・)と、噛締めるように呟く

二人、揃って切り返しの文句は
「30までなんて、生きてないから」

(と)