かみ合わない日常(永遠に暫定)

やってくるこの毎日が、人生だと知っていたら!

労働の断片

「あー、コレ終わったら上行きますんで」
「もう、墨塗り職人って感じだね」
「だったら、やってみてくださいよ。まだまだ塗るトコいっぱいあるんで」
「ヤダ。汚れるからもとい、キミにしかできない仕事だし…あー。それと、清掃のほうもきちんと、ね」
「コレやんなくていいなら、掃除にまで手が廻るんですけどね。ヒト、いないんですよ」

「釘打ち、上手くなってきたな」
(苦笑)
「えーとここ、4本抱かせでしたっけ」
「棟梁の思うとおりですよ」
「…はは」

「何、一服時間まで図面見るのか、勉強熱心だな」
「…ここ、マグサの寸法、図面と違いますよね」
「3675・・・のわけないな。785の窓が3つだろ・・・違うな」
「設計屋さん、ココ、寸法違うってばよ」
「んだかもしれないね」
(絶句)

「あ、窓台の横寸法、1240ですよ。1175は開口寸法で・・・」
「切り間違いだわ。済みませんね、先輩」
(誰が先輩だっての)

「もう、大工としての道を邁進していくんでしょ?」
「あれ・・・ボクは、掃除大臣じゃなかったんですか
ボクの給料だと、掃除と材料運びで予算いっぱいですからね」

「お前は、土曜日が近くなってくると元気になるなぁ」
(含み笑い)

(と)